2023年4月26日水曜日

ホロホロコと春蘭

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東北も急ぎ足で春がやってきて、桜はあっという間でした。

野山は色々な植物が芽生えて、日に日に姿を変え、光太郎も春を大いに楽しんだ事でしょう。

さて、昭和21年4月の日記に

「朝食前スルガさんの若夫人、ホロホロコと此の辺で称する花芽の原物とうでたものとを持っ

てきてくれる。ホロホロコといふのはニワトコに似たもの也。」

次の日

「ウコギの花も見える(ホロホロなり)」

(写真は友人宅の庭から採取したウコギの新芽と取った枝です。結構鋭い棘があります。)

ホロホロコと(コ)を付けるのは方言です。かわいい小さいものによく付きますね。

         

光太郎は、

「山腹にてホロホロの大きな樹を発見、いっぱいついている花蕾を採取、略、ホロホロを熱湯でざっとうで、かつぶしをかけて醤油でくふ、甚だ美味。」

「夕方ホロホロの花蕾採取、略、春蘭の花も見つける。略、ホロホロのバタいため、美味。」

など光太郎はホロホロコが気に入ったようですね。光太郎の小屋の前を通って、ワラビなどの山菜を取りに山に入っていく村人が多かったようで、

「老婆からいろんなことをきく、略ホロホロの木は煮て甘皮をはぐと白き材が出て、きれいな箸が出来るといふ。木を10本ばかり持ってゐる。」

確かに木は白いですね


           画像はネットからお借りしました

ウコギは、葉の若葉を食べるので、少し苦みがあって、この辺では春の食として欠かせないホロホロと言って熱湯で茹でて、遠くから花が見えるものではありません。棘が鋭いので枝を老婆たちが持って帰るのも違う木のような気がします。

光太郎がほろほろと言ってウコギの木と思ったのは、このミツバウツギではないかと思いました。コメノキともいうようです。ウツギと言ってもウツギに似ていてウツギの仲間ではないそうです。

花巻では春の食としてホロホロをたべます。熱湯でさっと茹でて刻み、味噌大根と胡桃のきざみをウコギと和えて、ご飯にかけて楽しみます。少し苦みがありますが、それが山菜の苦みのようでおいしいです。

光太郎が友人に手紙で、ホロホロの蕾の美味しいことを伝えています。そんなホロホロ、同じ味なのか是非食べてみたいですね。これは調べたいものの1つです。

ウコギのような苦みがなく水にさらさなくてもいいようです。今度地元の方に聞いてみようと思います。





 春蘭、これも画像はネットからお借りしました。

春蘭は旧記念館の方などに以前は普通に咲いていましたが。展望台などの道路が整備され少なくなったような気がします。余り日の当たらないところにひっそり咲きますね。

光太郎の住んだ場所で同じ植物を見れるのは同じ感動があるようでうれしいことです。

「」は筑波書房高村光太郎全集より。

2023年4月16日日曜日

植物と4月の光太郎ランチ

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こちらも桜が早くも散り、光太郎の住んだ山里も花が咲く季節になりました

今年はNHKの朝ドラが牧野富太郎の生涯のようですね。

光太郎もここ花巻に住んでから、沢山の植物を目にし山野草にも興味を持たれたようです。

勿論食べられるかという目的もあったかと思われますが自然の花の美しさは芸術家の光太郎の心をつかんだことでしょう。

今年1年日記や書簡などを調べながら光太郎と植物にもスポットを当ててブログを書いていきたいと思います。

このカタクリの花は現在地元の太田振興会の皆さんで昔のようにカタクリの里にしようという事で取り組んでいる事業の1つです。

光太郎が住んでいる頃は近くのお稲荷さん御境内に沢山生えていたようです。

キバナノアマナ

普段見過ごしていたようです。

キクザキイチゲは沢山咲いていました。見事ですよ。

昭和22年4月10日の日記に(筑摩書房高村光太郎全集)

略 郵便物。竹之内静雄さんからマキノ「植物図鑑」

と書いてあります。図鑑を片手に散歩する光太郎の姿を想像する事が出来ますね

記念館でも展示して下さると見れるのですけど、光太郎が手元に置いていたようですから保存状態はどんなでしょうね。


こちらはミレットキッチン花さんの光太郎ランチです

4月のランチでした。おむすびは稗と麦入りです。

光太郎のころはイカやニシンは豊富のようでしたが、今食品がなンでも値上がりして大変ですね。

ありがとうございます。

私達の方は、キクザキイチゲの花の箸入れでした。
 

やつかのもりLLC

2023年4月6日木曜日

連翹忌イン東京

岩手で、詩碑前祭に出席してから、新幹線に乗ってやってきました。

日比谷の松本楼、4年ぶりです。今回はやつかのもりLLCのメンバー7人で出席でした。

主催者の小山氏、和服姿でした。お似合いです。

写真と連翹の花と、ビールも忘れずにお供えしました。

花巻市からは、副市長が出席でご挨拶です。

左は、わが代表藤原氏です。

この日は、高村光太郎の弟の豊周氏のお孫さんであられる、写真家の達氏に

東北限定で発売された光太郎の記念切手を贈呈いたしました。

とても喜んで下さり、私たちも嬉しかったです。

中身の説明なども。
この後、スピーチや演奏はどんどん続くのですが、

中でも渡辺えりさんのスピーチは絶好調です。

沢山お写真を持参なさり色々お話をしてくださいました。小山先生は時間が無くなると心配のご様子。

今回はえりさんの弟の方もご一緒でした。

お姉さまの言葉にに終始うなずいている感じでした。全部言って下さるので笑



声楽家の清水邦子さんの歌声も素晴らしく

智恵子抄を歌ってくださいました。

伴奏のピアニストの朝岡さんはもちろん素敵で、あっという間の時間でした。

手作りのお団子を、皆さんことのほか喜んで下さり、いろいろなお話を伺う事が出来とても楽しい夕べでした。

連翹忌でお会いした皆さま、本当にありがとうございました。

是非岩手の方にも足をお運びください。

主催者の小山先生、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。


2023年4月3日月曜日

岩手県花巻市太田山口地区の連翹忌

4月2日は高村光太郎の命日、連翹忌です。

ここ花巻市の太田山口は光太郎の生活した場所です。

現在高村光太郎記念館や高村山荘などがある場所です。

山口地区の皆さんは、家族や地区の先輩の方々から光太郎の言葉、そしてこの地を訪れる光太郎ファンの方々の思いを素直に受け止め、この地区に残した数々光太郎の教えを守り、また、地区に光太郎の功績や願いを残すべき沢山の事を60年以上続けられた方々です。

その方々が中心になり、きれいに清掃してくださりこの日の準備をしてきました。
今年は随分雪が解け花も咲きました。
遺髭を埋蔵したという「雪白く積めり」の詩碑の前で、献花をし、出席者全員で詩を読みます。朝は冷えますが、すがすがしいほどの晴天です。
毎年欠かさず連翹忌はしています。今年は久々お天気も良く地区の皆さんでの連翹忌です。
今年はこちらも暖かく、連翹の花も咲きました。
そして沢山光太郎の詩を朗読しながら、ここでの光太郎の生活を偲びます。

里山にも春の音連れです。

カタクリの花が咲き始めました。

太田地区の皆さんでここをカタクリやお花の里にすべき取り組みもなさっています。

毎年花の咲くのが楽しみです。

次回は東京での連翹忌を報告します。