2022年4月19日火曜日

盛り沢山の春

いつも、当ブログを訪問下さりありがとうございます。
こちら岩手花巻は、只今春爛漫の世界です。

記念館周辺の木々もいろいろな色が出てきました。

山桜やコブシの花がみごとです。

光太郎が住んでいた当時、近くの分教場の先生をし、家族の様に暮らしたことがある、佐藤勝治さんのお嬢さんからお話を伺う機会がありました。

春は足元がぬかるんで小さな子供の足では光太郎が住んでいた山小屋迄行けなかったそうです。今は舗装していますので、雨が降っても大丈夫ですが、当時は

遠くから

「せんせい~~」と大声で呼んだそうです。すると小屋から出てきて、

「はーい」、とか「おーい」と言って手を振って来てくれたそうです。

こんな景色を見ると、本当に、今も光太郎が出てきそうな雰囲気です。


さて、土、日「道の駅の日」のイベントでノンアルコールのビール無料配布がはなまき西南道の駅であり、そのお手伝いをしました。
また、「銀の鳩」さんのホットドックなどの調理パン、加工組合の「3色餅」を販売いたしました。大変盛況でした。

お餅は光太郎が村の方から戴く当時貴重な食糧でした。あんこ餅などはご馳走だった事でしょう。ゴマ餅、胡桃餅も加わって、すぐ完売の人気商品でした。

パンは、光太郎が自分で焼いたほど大好きでしたので、焼きそばとナポリタンもお願いし、これもあっという間に完売でした。

こんなパンフレットも作って、一緒に差し上げましたよ。時代は違いますが同じ日、夜空を眺めると、ピンクムーンという満月でしたね。

光太郎は待ちに待ったのどかな春の日々を綴っていますね。


こちらは15日の光太郎ランチです

私たちは下の方の今月の光太郎を提供しています。箸袋は、今月は水芭蕉です。

光太郎ランチは毎月15日、「ミレットキッチン花」の皆さんが作ってくださっています。

はなまき西南道の駅で予約も受け付けております。当日11時10食、販売開始なそうです。お近くまで来ましたら是非お買い求めください。

また、5月15日まで「光雲の天鈿女命展」をしています。なかなか、本物の木彫は見る機会がありません。東北新幹線も全線開業しましたので、ぜひ足をお運びください。

 

2022年4月13日水曜日

山の春

ここ2.3日4月とは思えぬ陽気が続き、一斉に野の花や木々の芽が芽吹きました。

市内はもう桜が満開に近いのですが、ここは里山なので開花が少し遅れます。

その分、野に咲く花はハッと思い立ち止まって見てしまう程可憐で、凛とした強さを感じます。

特にかたくりは枯葉の中から姿を現します。スプリングエフェメラル(春の妖精)なんて素敵な名前が付くほどですね。




光太郎は昭和26年(1951)3月「婦人之友」に掲載された「山の春」という散文の中に

『東北の春のあわただしさは、リンゴ、梅、梨、桜のような、いわゆる春の花の代表が、前後する暇もなく、一時にぱっと開いて、まるで童話劇の舞台にでもいるような気を起させる。』

と書いてます。

一度に花に囲まれる様子、素敵です。まさに北国の特権ですね。

『かたくりのかわいい紫の花が、厚手の葉にかこまれて一草一花、谷地にさき、時として足の踏み場もない程の群落をなして、見事なこともある。』

そんな場所もあったのですね。

現在はそんな森に戻そうと、地元の方々が植えて下さっています。記念館の周りが春足の踏み場もない位、花畑になるといいですね。

『春の霞はさすがに明るく、セリュリアン色の蒔箔のように山々の間にういている。』

セルリアンは空色、現在のセルリアンブルーのようです。晴れた日はかすみが蒔絵のようにに見えたのでしょうか、画家の顔も見せますね。


『ヤマナシの白、コブシの白、ウグイスカグラの白、その白がみなちがう。』

当たり前ですが、詩人、というより、芸術家の光太郎の観察力はすばらしいですね。

こういう感性を持って日々過ごしていたということですね。


YouTubeで聴けます。

写真の無断使用はご遠慮ください。
 

2022年4月2日土曜日

令和4年 連翹忌

今日4月2日は光太郎の命日

「連翹忌」です

コロナで色々の行事が中止になっていますが、ここ花巻市太田で行われる連翹忌は、毎回地元の方々に支えられ続けられてきました。

今年は没後65年になります。

光太郎の髭が埋葬されている「雪白く積めり」の詩碑には、光太郎の遺影も飾られ、在りし日の光太郎を偲びました。

今日は朝、冷えたもののとてもいいお天気でした

昭和27年まで7年間、ここ花巻市太田山口に疎開していた光太郎は、この地区を愛し、また村に大きな芸術の元をたくさん残してくださいました。

こうやって参列者全員で光太郎を偲び、また新たな気持ちで光太郎を顕彰していきたいという事を各々の心に誓いました。
光太郎も、こんな穏やかな春をどんなにか楽しみに待ち臨んだことでしょう。

池にはクロサンショウウオの卵も見れましたよ。

村の方々のように「せんせいー」と呼んだら返事が聞こえてきそうな日でした。