2022年11月23日水曜日

秋冬の企画展「光太郎つくりくふ」

 

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本日、11月23日より、高村光太郎記念館において、企画展が始まります。

「光太郎、つくりくふ」

というタイトルで、「食」を取り上げます。


久しぶりの山口山です。

光太郎は朝、夕、この山を見ながら暮らしました。

殆どが雑木で、四季の移り変わりの景色は素晴らしいものがあります。

 山口より、「山口部落」という詩に山口山が出てきます。

  山口山の三角山は雑木山

  雑木のみどりのうんげん

  ブナ、ナラ、カツラ、クリ、トチ、イタヤ。略

  (うんげんとはくまどり、日や月のかさをかたどった染模様濃い色から少しずつ薄くなるように段階を付けて彩る)

この詩は、また日を改めて紹介します。

今回はこの企画展の話題です。
昨日、企画展の準備に最後の追い込み中でした。
今回は、花巻市の企画展です。
私達、やつかのもりLLCが、「マチココマガジン」の裏表紙に「光太郎レシピ」として5年間掲載した中から、おやつや、飲物をピックアップし、また光太郎の食事を陰ながら支えた方たちなどのエピソードを展示することになりました。

山荘の内部をタペストリーにするのもOKを頂き、いい感じの仕上がりになりました。

光太郎が住んでいる感じが出てますね。
上から、タペストリーを吊るすのは、大変な仕事ですね。見ていても首が付かれます。
ありがとうございます。
料理撮影、高橋弘善氏
タペストリーの景色、市のKさん
どちらも本当に素敵な写真です。
会期は長いですが、それぞれの季節を楽しみながら、ぜひ足をお運びください。

2022年11月17日木曜日

11月は美味しい

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紅葉はもう終わりに近いですが、街中はこんな見事な紅葉も見られます。

さて昨日11月15日「はなまき西南道の駅」の「光太郎ランチ」の日です。

ここ旧太田村の山小屋に住んでから、11月は多忙な月でした。山小屋に住み始めたのも11月乙女の像を造りに東京へ戻ったのも11月。

現在のようなネットやFAXがないので雑誌の新年号の詩や自筆などの注文が来て、締め切りに追われ、自作の野菜などの秋のじまいをする時間も貴重だったようです。

今回のランチ、牛カツも登場です。

秋は美味しいものが沢山あって光太郎の食生活は充実していた月でもあります。

新米が手に入ったり、林檎、甘いサツマイモ、ミカンなど光太郎が作れないものがとどくこともありました。

特に白米は「美味しくてつい食べ過ぎる」と言っています

今回のランチも勿論、地元の新米でした。


この、光太郎ランチを1年かけて絵にして下さった西堀みちよさんの記事が今日17日「岩手日日」に掲載されました。

現在東和町の「土沢カフェくるみ」で原画展をしています。今月21日迄です。

お近くの方是非足をお運びください。
 

2022年11月6日日曜日

東北の秋

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山も里も今年も紅葉のシーズンになりどこを見てもきれいな季節になりました。

光太郎は花巻の旧太田村に住んでいる時は、11月は文筆活動で忙しい時期だったようです。

新年号とかの依頼だったのでしょうか。

訪問客も多く、日記や書簡を読むと忙しそうな日々です


大沢温泉の駐車場はいい眺めでした。光太郎の詩にある、コバルト色の空でした。

温泉のお風呂からは格別だった事でしょう。

光太郎は

「東北の秋」という詩を昭和25年「婦人之友」に載せてます

今日はこれをご紹介します

        東北の秋

芭蕉もここまでは来なかった。

南部、津軽のうす暗い北限地帯の

大草原と鑛山(かなやま)つづきが

今では陸羽何々號の稲穂にかはり

紅玉、国光のリンゴ畑にひらかれて、

明るい幾萬町歩が見わたすかぎり、

わけても今年は豊年満作。

三陸沖から日本海まで

ずっとつづいた秋空が

いかにも緯度の高いやうに

少々硬質の透明な純コバルト性に晴れる。

東北の秋は晴れるとなると

ほんとに晴れてまぎれがない。

金の牛こ(べごこ)が抗(あな)の中から

地鳴りをさせて鳴くやうな

秋のひびきが天地にみちる。

             筑摩書房高村光太郎全集より