2018年11月13日火曜日

山からの贈り物

 朝晩、寒くなりましたね。花巻高村光太郎記念館です。
色づいた葉もハラハラ風に乗って散ってきました。
美しいです。
 葉が落ちると、今迄見えなかった建物や丘も、すぐ近くに見えてきます。
 一面に散った落ち葉の上を、カサコソと音をたてながら歩くのも、この散歩道の醍醐味です。
 たくさんの落ち葉、掃除は大変ですが1つ1つ、自然が作った宝物の様です。
今回は、「山からの贈り物」という詩をご紹介します。
山からの贈り物
山にありあまる季節のものを
遠く都の人におくりたいが
おくらうとすると何もない。
山に居てこそ取りたての芋コもいいし
栗もいいし茸もいいが、
今では都に何でもあつて
金がものいふだけだといふ。
それではいつそ
舊盆すぎて穂立をそろへた萱の穂の
あの美しい銀の波にうちわたる
今朝の山の朝風を
この封筒に一ぱい入れよう。
香料よりもいい匂の初秋の山の朝風を。
        昭和24年