2018年9月14日金曜日

初秋

 こんにちは 高村光太郎記念館です
秋晴れの1日です。
山口山を背景に青い空が広がります
 春に真っ白な花を付けたヤマボウシはかわいい赤い実を沢山つけました。
秋の市民講座で食べてみた実です
 少し大きめのサクランボぐらいの実です。ほのかに甘い感じでしょうか、鳥は集団で来る気配はなく今のところしっかり実が付いています
 そして皆さんお待ちかねの栗です
ここはたくさんの栗の木があります。品種が色々なので日当たりも影響するでしょうが落ちる時期がバラバラです。
朝、出勤すると何やら動物の食べた跡があるときもあります。
今のところ、人間が拾った後しか見受けられませんが・・・・
栗拾いは楽しいですね
高村光太郎の「月にぬれた手」という詩に栗が落ちる様子を描いています。
夜、月あかりの情景が浮かぶような詩です。
今日はこれを紹介します

月にぬれた手

わたくしの手は重たいから
さうたやすくはひるがへらない。
手をくつがへせば雨となるとも
雨をおそれる手でもない。
山のすすきに月が照つて
今夜もしきりに栗がおちる。
栗は自然にはじけて落ち
その音しづかに天地をつらぬく。
月を月天使とわたくしは呼ばない。
水のしたたる月の光は
死火山塊から遠く来る。
物そのものは皆うつくしく
あへて中間の思念を要せぬ。
美は物に密着し、
心は造型の一義に往する。
また狐が畑を通る。
仲秋の月が明るく小さく南中する。
わたくしはもう一度
月にぬれた自分の手を見る。
「典型」より