今年初の講座の報告です。
2月18日市内のまなび学園で、出張講座をして来ました。
宮沢賢治、新渡戸稲造、と勉強会をなさっている方々で、光太郎はお初なそうです。
教員を退職なさった会員の方々、劇の中で笑いがあったり、和やかな講座でした
私達の「ある日の光太郎」の劇から始まります光太郎がお世話になった村人達が色々出て来ます。
服装や方言にもこだわりました。持ち物もなるべく当時を再現したく苦労してます笑
カフェドシトロンも、異国?の雰囲気で皆さんに喜んで頂けました。
今年初の講座の報告です。
2月18日市内のまなび学園で、出張講座をして来ました。
宮沢賢治、新渡戸稲造、と勉強会をなさっている方々で、光太郎はお初なそうです。
教員を退職なさった会員の方々、劇の中で笑いがあったり、和やかな講座でした
私達の「ある日の光太郎」の劇から始まります光太郎がお世話になった村人達が色々出て来ます。
服装や方言にもこだわりました。持ち物もなるべく当時を再現したく苦労してます笑
光太郎大好きの方がミニカレンダーを作り、素敵なので作ってもらいました。
今月は、「冬の朝のめざめ」という詩です。
少し長いですが鑑賞したいと思います。
「冬の朝なれば」
冬の朝なれば
ヨルダンの川も薄く氷りたる可し
われは白き毛布に包まれて我が寝部屋の内にあり
基督に洗礼を施すヨハネの心を
ヨハネの首を抱きたるサロオメの心を
我はわがこころの中に求めむとす
冬の朝なれば街(ちまた)より
つつましくからころと下駄の音も響くなり
大きなる自然こそは我が全身の所有なれ
しづかに運る天行のごとく
われも歩む可し
するどきモツカの香りは
よみがへりたる精霊の如く眼をみはり
いづこよりか室の内にしのび入る
われは此の時
むしろ数理学者の冷静をもて
世人の形くる社会の波動にあやしき因律のめぐるを知る
起きよわが愛人よ
冬の朝なれば
郊外の家にも鴨は夙に来鳴く可し
わが愛人は今くろき眼を開きたらむ
をさな児のごとく手を伸ばし
朝の光を喜び
小鳥の声を笑ふならむ
かく思ふとき
我は堪えがたき力の為めに動かされ
白き毛布を打ちて
愛の頌歌(ほめうた)をうたふなり
冬の朝なれば
こころをいそいそと励み
また高くさけび
清らかにしてつよき生活をおもふ
青き琥珀の空に
見えざる金粉ぞただよふなる
ポインタアの吠ゆる声とほく来れば
ものを求むる我が習癖はふるひ立
たちまちに又わが愛人を恋ふるなり
冬の朝なれば
ヨルダンの川に氷を嚙まむ
大正元年11月30日作
大正2年1月「抒情詩」に発表された
筑摩書房 高村光太郎全集より
明治42年27歳にヨーロッパから留学を終えて帰国するわけですから大正元年は30歳です。