2020年12月24日木曜日

クリスマス

高村光太郎記念館です。

12月としては珍しい大雪になった記念館です

この周りは冬はクロスカントリーのスキーコースになっています。

雪が積もってうれしいのはスキーヤーです。

雪景色が美しいです
早速、圧雪車が通りコースを作っていきます。

今度の土日は、練習に来る方が多いことでしょう。

「クリスマスの夜」

という詩があります。

少し長いですが、光太郎の若き日(大正11年)に発表した作品です

当時友人の水野葉舟邸のクリスマスに招かれての帰り道、作者の心に去来するイエスののぞうをうたった詩です。

東京での作品ですからこんな雪景色はまだ見たことがないころの作品です

「クリスマスの夜」

わたしはマントにくるまって

冬の夜の郊外の空気に身うちを洗い

今日生まれたという人のことを心に描いて

思わず胸を張ってみぶるいした

ーー彼の誕生を喜び感謝する者がここにも居る

彼こそは根源の力、万軍の後楯

彼はきびしいが又やさしい

しののめの様な女性のほのかな心が匂い

およそ男らしい気稟(きひん)がそびえる

此世で1番大切なものを1番むきに求めた人

人間の弱さを知り抜いていた人

人間の強くなり得る道を知っていた人

彼は自分のからだでその道を示した

天の火、彼


ーー彼の言葉は痛いところに皆触れる

けれども人に寛潤な自由と天真とを得させる

おのれを損ねずに伸びさせる

彼は今でもそこらに居るが

いつでもまぶしい程初めてだ


ーー多くの誘惑にあいながら私も

おのれの性来を洗って来た

今彼を思うのは力である

この土生骨を太らせよう

飽くまで泥にまみれた道に立とう

今でも此の世には十字架が待っている

それを避けるものは死ぬ

私も行こう

かれの誕生を喜び感謝するものがここにも居る


暗(やみ)の夜路を出はずれると

ぱっと明るい灯(ひ)がさしてもう停車場

急に陽気なまちのざわめきが四方に起り

家へ帰ってねる事を考えている無邪気な人達の中へ

勢のいい電車がお伽話の国からいち早く割り込んで来た


(高村記念会 高村光太郎詩集より)

仮名は現代仮名にしています

 

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