2019年2月27日水曜日

雪わたりの日

 みなさんこんにちは
高村光太郎記念館です。
今朝は少し冷えました。朝8時の景色です。
市内はほとんど雪は見られませんが、ここはまだ冬の景色が残っています。
堅い雪をこの地方では「かた雪」と言って、朝の冷える時間に雪に乗ると足がもぐらず、雪の上を歩くことが出来ます。上にふんわり乗った雪の下が固くなって歩きやすかったりします。
宮沢賢治の「雪わたり」という童話がこの情景を素晴らしく表現しています。
賢治の才能を早くから見いだし、支援を惜しまなかった光太郎も、この景色を見て賢治の作品と景色が一致したのではないでしょうか
 今年は暖冬で比較になりませんが、光太郎も今の時期は、お日様に誘われて外に出て自然を眺めています。朝は雪が青い宝石のように光り輝きます。
光太郎も外の自然を眺め、北海道に住む「更科源蔵」という詩人にエッセイを送っています。

昭和21年3月27日
雪かきを遠くまでする。道をつける事。積雪の上層かろく軟らかき部を除くと下にやや荒く凍りたるようなつぶつぶの雪あり、堅し。「北方風物」によるとこれが̪シガといふらし。そこまで雪をかけばもぐらずして歩きよし。
冬樹の枝などとってくる。写生用。
(当時の日記から一部抜粋)

冬樹の写生は、現在絵はがきになって当記念館で販売しております。
当時は紙も絵具も材質が良くなかった為、今のような色は出せませんでした。それでも素晴らしいデッサンを残しています

「北方風物」は当時北海道に住んでいた更科源蔵(さらしなげんぞう)が実際には編集して出版した雑誌名です。稿料はバターやチーズでお礼をしたようです。バターやチーズは当時高級だったのでとても評判が良かったという事です。